Pomme Juice

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夕方。さっきまで太陽がいたはずの方からいきなり雨雲がもくもくとやってきて鬱蒼とした空気を作りだした。
私は天気が崩れると息苦しくなる。それは低血圧なせいだと信じている。低血圧だから気圧の変化に弱いのだ。これは私の勝手な判断なのだけれど、中学のときに読んだ気象予報士が書いた本にそれを裏付けるような記述があったのできっと本当だ。
息苦しくて安全な布団にくるまって寝てしまいたいけれど、バイトがあるから意を決して家をでる。
どしゃぶりだ。
でも、なんだかそれに思い切りの良さを感じて逆に晴れ晴れとした気分になった。
傘をさす。本物の私の傘よりひとまわり大きい傘だ。本物の私の傘はこの間コンビニで誰かが間違えて連れて帰って行ってしまった。だからその代わりに私のものになったこの傘は私の傘だけれどやはり本物じゃない。つい最近まで私のものだった私の本物の傘は元気にしているだろうか?
駅に向かって歩く。普段なら人々が活発に往来しているはずの時間帯なのに、道には私ひとりだけだった。私は私がとても勇敢であるように感じた。みんな雨を恐れて外に出て来れないのだ。堂々と道の真ん中を進んでいく。
ずんずんずんずんずんずん。
いや、違う。これでは雨の中果敢にも駅を目指す私の姿を知らしめることができないではないか。
じょんじょんじょんじょんじょんじょん。
これも何か違う。
じょんじょんずんずんじょんじょんずんずん。
そういえば。
私は宮澤賢治の銀河鉄道の夜を最後まで読んだことがない。あるいは読んだが忘れてしまっているのかもしれない。とにかく私はその結末を知らないことに気付いた。
じょばんにじょばんにじょばんにじょばんにじょばんに。
駅に着くと傘を持ちあわせていなかったひとたちが足留めをくって雨宿りをしていた。私は傘という便利な道具を持っていることに誇りをもち、実につまらない優越感に浸った。
私はいじわるだ。

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